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経営理念とは信念そのもの

昨日の日経夕刊に串カツ田中の社長貫(ぬき)啓二さんの記事がありました。

 

~ ある人に相談したら「企業理念はあるのか」と言われました。「ウチは串カツ屋やで。理念って何や」と思いましたが、その方は「統計的にも理念のない会社は成長しない。困ったら物心両面で幸福を追求するとでも掲げるといい」と助言をくれました。その夜、自宅で企業理念の専用サイトを見ると、それは京セラ創業者の稲盛和夫さんの言葉でした。 ~(中略)~ 理念に従い、それに近づくことが成長への道だと感じました。そして「串カツ田中の串カツで一人でも多くの笑顔を生むことにより社会貢献し、全従業員の物心両面の幸福を追求する」との理念にしました。最初は飾りでしたが次第にこの言葉にほれ込みました。成功体験を積み重ね理念に近づいていこうと。~

 

●経営理念はなぜ必要なのでしょうか?

 稲盛さんは「理念は愚直に守るもの」としています。

その理由は、コンプライアンス違反は理念を逸脱するところから始まり、一度、勝手に理念の解釈を変えるとどんどんずれていき、いずれ粉飾決算などの不祥事を起こすことにつながるんだと。

理念を曲げるくらいなら会社をつぶすべきだとも言われています。

理念の内容は、自分としてこうあらねばならんと思い込んでいる以上変えることなど絶対できないと。

 

つまり、稲盛さんにとって、経営理念=信念そのものなのです。

 

信念を従業員や世の中に宣言することで、会社の存在意義を明確にし、従業員と心を一つにできるのではないでしょうか?

もし、中小企業の中に、理念を見える化していないがゆえに経営の判断を誤ったり、将来の方向性で悩んでいる経営者がいたとしたら、まずは自分の信念を言葉にして、それを理念としてみては如何でしょうか?

 

経営者の経営哲学は十人十色。その理念も会社の数だけ存在し、それぞれが異なるものです。

 

一人ひとりの理念を大切にし、支援していける診断士を自分も目指したいと考えています。